あたしが見た世界Ⅲ【完】
「まぁ、簡単に言えば潜入調査みたいなことをするのに、俺らが死んだことにすればいいと思ったからかな」
「「!」」
それを聞いてあたしは愕然とする。
「俺らより任務の方が大事なのかよ」
リュウ兄が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「……結果的にそうなってしまった。すまない」
「…………」
申し訳なさそうな顔をして、頭を下げた。
「あ、イヤ、別にそういう意味で言ったわけじゃないけど…」
リュウ兄はアタフタしながら言った。