あたしが見た世界Ⅲ【完】
「あったかい…」
トクン、トクン、と規則正しい隼人の心臓の音が聞こえる。
そして、人の温もり。
「うん」
隼人が悲しげに答えた。
暫くその状態でいたら、リュウ兄が病室に入ってきた。
そして彼は「起きて早々、こんな話するのはどうかと思うけど…」と言って、あたしが知らないことを話した。
一つ目は、あの日からもう10ヶ月経っているということ。
二つ目は、あの日に父さん、母さん、夜一、ヤツが死んだということ。
三つ目は、そのせいであたしが心の病になったということ。