あたしが見た世界Ⅲ【完】
「俺が12歳の時!!!」
リュウ兄が「どやぁ」という顔をする。
「そうかそうか」
父さんがリュウ兄の手を徐に抓る。
「痛っ!ちょ、親父ナニやってんの?」
リュウ兄が焦っていた。
「んじゃぁ、久しぶりに俺と男同士の話でもしながら、修行しような」
「え、修行やだし」
「返事は?」
「いや、だから―――痛い痛いイタイ痛いイタイ!!!!」
リュウ兄が叫びだす。
「ちょっ、マジいたい痛い!!!離せって!!!」
「 返 事 は ? 」
父さんは尚もリュウ兄の手を抓っているようだった。
「あーもー分かった分かった!!!だから、抓んな!それ地味だけど、かなり痛ぇんだよ!!!」