天邪鬼なアタシと爽やか王子



机をドンと叩く音とその振動に驚き視線をずらすと、
先生が私を見下ろしていた。

表情は険しい。


「お前が携帯いじってるなんて珍しいもんだな。これを前で解いてみろ」

黒板に白いチョークと数式。

本当に何かの信号みたい。日常生活で使う機会があるの?これ。


先生にとってみれば既に期待外れだったのだろうか。
このクラスで一番真面目に見えた私が周りと全く同レベルだなんて。


残念なことに別のことに集中しても決して話を聞き漏らさない私は、すらすらと数式を解いてしまった。


先生は全く解けない私を教室内で晒しあげ授業中に携帯をいじっているとこうなるのだ、という見せしめにしたかったのだろう。

先生の、どこか残念そうな複雑な表情を見て心の中でほくそ笑んだ。


こういう時、なんて言うんだっけ。
あぁそうだ……

ざまあみろ


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