春の曲を奏でるきみ
きみと出会った春
僕が、君と出会ったのは
僕が生まれたときも含めて、
12度目の春が訪れたときだった。
父の会社の関係で、
転校することになったのだ。
始業式から、わずかにずれてしまったぼくは
みんなより遅い自己紹介をした。
先生が、
「あなたの席はあそこね。」
と、南の席を指さして言った。
日当たりが良く、暖かくて
とってもいい席だったことを
今でも、覚えている。