子猫になった私
お姉さんは、慣れた手つきで、ミルクを温めて、少し温くなってきたら、私にくれました。

前に、私が遊びに来たときは、彼の家はこんなに綺麗じゃなかったし、牛乳なんかもありませんでした。

私より、ずっと女らしくて素敵な人だな。
私、勝てるところないな。
背が高くて、スタイルのいいお姉さんを、見つめました。

私は、好き嫌いが多くて、あんまり背も高くないので、こんな風になりたいという理想の女の人がそこにはいました。

「拓也くん。君のこと飼ってくれるかなぁ。」

お姉さんが彼の名前を呼ぶと、私の胸がきゅっと苦しくなりました。

お姉さんはもう一度抱っこしてくれました。
あたたかくて、涙が出そうになりました。

「女の子なんだね。」

「ニャー(そうですよ。)」

「一人で淋しくなかった?」

「ニャン(淋しかったですよ。)」

通じたのかはわからないが、お姉さんはまた私を撫でてくれました。
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