子猫になった私
「知り合いの女の子って?」

お姉さんが尋ねました。

「まだ中学生の子だよ。お母さんから連絡があってね。熱が出たままどこかにいなくなったらしい。」

お母さんも
心配してるんだ…。

だけどもしこのまま、彼に話が通じなかったらどうしよう…。

「警察には?」

「お母さんが届けたと思う。」

「…そうなの…。」

ため息をつく彼を、お姉さんは困ったように見つめました。

「そんなに心配なら、探しに行ったら?」

優しく言いました。

「でも、今日はせっかくキミが来てるのに…。」

「私はいいの。もう帰るし、また、その子の様子見に来るから…ね?」

彼はお姉さんに御礼を言いました。

そしてお姉さんは帰って行きました。
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