一歩




「な、何これっ!!甘っっ!!!」


“悠莉”はお世辞を言うでもなく、素直な言葉を口にした。



「あ、こっちのはわさび入り」



だから、私はもう一つの卵焼きを指差して“悠莉”に説明をした。



「なんで?」

「私、すぐに飽きちゃうんだ」

「なんでよ~、おっかし~ぎゃははは」


“悠莉”は椅子から転げ落ちるんじゃないかっていうぐらい体を逸らせて、お腹を抱えて笑った。



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