一歩
――――――…
「あっつ~」
ゲームセンターについて開口一番、悠莉はそう口にした。
放課後のゲームセンターには若い子がたくさんいて、同じ制服を着た男女も数名いた。
悠莉は谷間まで見えるんじゃないかっていうぐらいブラウスをバタバタと仰ぎ、風を送っていた。
そんな悠莉の行動に周りの人たちは気にしない素振りをしながらこっそりと盗み見ていた。
「んじゃあ、3階ね~」
エレベーターでそう言った悠莉に私は2,3回大きく頷いた。
3階につくと、もわっとした空気とともに香水の匂いが花をくすぐった。
「あ、優輝!」
いきなり悠莉が大きな声を出して、私は大げさにびくっと体を震わせた。