一歩
地元にも友達がいない私にはどうにも、わかりかねないことだった。
「でも!!杏里は特別なんだからっ」
悠莉はそう言って私をぎゅうっと抱きしめた。
「じゃあ、せいぜい悠莉と仲良くしてやってくれ」
「ちょっ、そんな言い方ないでしょっ!!」
「だって、お前、友達いねぇじゃん」
「つ、作ってないだけだもん!」
「嘘つけ、じゃあ作ってみろよ」
「い、嫌だ!!!」
「ほ~ら、作れないだけだろ?」
悠莉と優輝が仲良く話してるのを見て私は思わず噴き出した。