一歩
「なんだなんだ?」
女の叫びを聞いて集まってきた野次馬が私たちを取り囲み、閲覧している。
明らかに私のほうが痛いだろうって心の中で思っていた。
たかだか、こんなことだけで今時の女は人に暴力を振るうんだなぁと思った。
私は起き上がって体についた埃を払った。
「余裕ぶっこいてんなぁ~」
野次馬どもにテンションが上がったのか、女たちはやけに興奮した目で私を睨みつけた。
だから負け自と私も女たちを睨みつけた。