一歩



その次の日から、優輝たちはあんまり学校に来なくなった。

もともと、不良って感じで学校に来るイメージはなかったんだけど、最近は毎日のように来ていたから、それに慣れてしまっていた。


優輝たちがいないと、心なしか校内も静かなように感じた。


それは多分、クラスで優輝たちのことを話す女子がいないから。

「○○君格好良い~」という声を聞かないから。


無論、それは学校に来てないから当たり前なのだけれど…。





悠莉はいつものように元気に振舞っているようだったけれど、笑顔がいつもより寂しく感じられた。


…悠莉はきっと何かしっている…。
優輝たちが学校に来ない理由を知っている。


それでも、聞けないのは私が臆病だから。



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