一歩
―――――…
「じゃあね、アンちゃん」
「……また来てくださいね」
部屋で服装を整える私を後にしておじさんが出て行った。
おじさんが出た直後に、部屋のバスルームへ駆け込んだ。
そしてジャブジャブと体中を綺麗に洗った。
一回だけじゃ気持ち悪くて5回は体を洗ったし髪の毛も何回も洗った。
……私はお義姉さんのお金の足しのためだけにこの店で働いている。
こんな仕事したくはないのだけれど、こうでもしなければあの家にいさせてもらえない…。
あのお義姉さんのホテル代のためだけに私はこの店に足を運ばなければならない…。
そんな私はなぜかこの店NO1指名率になってしまった。
こんなの嬉しくもなんともない。
むしろ、他のやつを指名してやってくれって心の底から思う。