‐月のしずく‐
第1章
影の彼女。
彼女は涙していた。
窓からオレンジの夕日が照らし、頬をつたう彼女の涙はキラッと輝いていた。
…なぜ?
なぜ彼女は、泣いているのだろう。
「はーいっ。みんな注目!」
彼女が大声で言うと、騒がしかった教室は一気に静かになった。
相変わらず、すげぇな……。
俺は隣にいる彼女…春日雫をちらっ、と見た。
真剣にみんなに話しながら、春日はどんどん仕切っていく。
阿部知也…それが俺の名前。
クラスで春日と一緒に、委員長をしている。
「阿部! なにぼーっとしてるの? 説明して」
「あっ。……おう」
強気で、真面目で、元気な奴。
それが、ずっと春日の印象……だった。
彼女が泣いてるとこを目撃するまでは。
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窓からオレンジの夕日が照らし、頬をつたう彼女の涙はキラッと輝いていた。
…なぜ?
なぜ彼女は、泣いているのだろう。
「はーいっ。みんな注目!」
彼女が大声で言うと、騒がしかった教室は一気に静かになった。
相変わらず、すげぇな……。
俺は隣にいる彼女…春日雫をちらっ、と見た。
真剣にみんなに話しながら、春日はどんどん仕切っていく。
阿部知也…それが俺の名前。
クラスで春日と一緒に、委員長をしている。
「阿部! なにぼーっとしてるの? 説明して」
「あっ。……おう」
強気で、真面目で、元気な奴。
それが、ずっと春日の印象……だった。
彼女が泣いてるとこを目撃するまでは。
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