Distance
遥は芝生の上にバサッと勢いよく仰向けに倒れ込んだ。
そして太陽を目をほそめて見つめる。
あたしは遥の隣に静かに腰を降ろした。
真っ青な広い空に真っ白な雲がゆっくり流れていく。
「久しぶりなんだよなー。外にでるのって」
「えぇ?」
「前のヒトは出してくれなかったから」
前のヒト……
あ、前の飼い主のことか。
いたのね。
あたしと同じようなこと想うひとが。
きっとそれも1人や2人じゃないんだわ。