Distance


土曜日の午後4時、太陽が沈む直前のあたりがオレンジ色に染まるころに
散歩にいくのが、いつの間にかあたしと遥の当たり前になっていた。


その日はいつもよりも一段と綺麗な夕焼けで
思わず歩く足をとめてしまった。


「綺麗な色……」

「舞の方が綺麗だよ。なんちゃってー!」

「バカ」


笑う遥を置いて、あたしは先に歩きだす。
遥はあたしが怒ったと思ったのか慌てておいかけてきた。

「待って!待ってってば!ごめん!もうからかわないから!」

「そんなこと言って、まだ顔が笑ってるじゃない!調子に乗ってると晩ご飯つくってあげないからね!」

「えー!!それだけはマジ勘弁!」



そのとき、すれ違ったふたりの手はきつく繋がれていた。

普段は通り過ぎる人なんかに見向きもしないけど、あたしはなんとなくその手に目がいってしまったのだ。


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