Distance
「遥くんだよね?!やっと……やっと会えた!!ずっと探してたの!みんな探してるよ!先生も、よっ君たちも、みんな!あたしもずっと遥くんに会いたかった!!」
車いすから精一杯身を乗り出す彼女からは想いが溢れている。
あたしの心まで流れてくる暖かで切ない想い。
「遥くんッ!!!」
叫びのようなその呼び声を背に遥は歯をくいしばり走り出した。
「あたし待ってるからね!!」
彼女の声が、遥に届かなかったわけじゃない。
届いたんだ。
痛いくらいに。
───ねぇ、あたしたちの関係ってなに?
無性にそのことが聞きたくなった。
遥は今崩れ落ちそうなのに。