Distance


「……舞……。俺、此処に帰ってきて良かったんだよな?」

消えそうな小さな声で遥はポツリと呟いた。

その声は微かに震えている。


「当たり前じゃない。言ったでしょ?此処はあなたの家なのよ」


遥はゆっくり顔をあげて、力なく笑った。


「俺、舞の細胞になりたかった。そしたら初めから……」



気がつけば、あたしは彼を抱きしめていた。


言葉の続きを彼の口からは聞きたくなかった。



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