ロマンチックに欠く女


「ハイ、先輩」





お昼休み。
しつこく誘ってやっと今日願いを聞いてもらえた。


何かと言うとそれは昼休みに一緒に弁当を広げて食べる事。
さらに手作りお弁当を作ってきてもらう事。



そして目の前には可愛らしい彼女の顔と目の前に広げられているお弁当。


そう、お弁当…なんだけど。





「えー…と、何これ?」



「弁当です」



「いや、弁当って言うか“弁当箱”なんですけど?」



「はい、だからこれに先輩がコンビニとかで買った好きなおかずを詰めて弁当を完成させたらそれは先輩にとっての世界一のお弁当ですよ」



「そんな世界一悲しいお弁当なんて嫌だ!」





しかも地味に日向ちゃんと一緒に居る時間が減る!!





「だって先輩に無駄遣いするお金なんて無いですし…
カップラーメンを作るにも…やっぱり勿体ないと思いまして…」






あー…日向ちゃんにとって俺への愛はカップラーメンなのか…


遠いなぁ…
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