ロマンチックに欠く女


とりあえず電話してみた。




『おかけになった電話は現在使われており…ブチッ』





――――まさかの着信拒否されてました。


え?彼氏にここまであの子しちゃうの?
俺、そんな酷い事言ったかな?

一体何がいけなかったんだ?





そうして目の前で俺の行動を見守っていた英が一言。





「どんまい」






うん、ちょっと涙が出そうになったのはきっときのせいだよね。



…というより、日向ちゃん。


貴女はいつになったら俺にデレてくれるんだ?




こうなったら仕方ない。



俺も男だ。次にする行動は決まってる。

ここまであしらわれてるんだ。

もう1度電話なんてみっともないしカッコ悪い事はしない。






「日向の教室まで行くしかないか」



「…お前のそのポジティブさ見習うよ」






そんな声を背に俺は教室を出た。
日向のおかげで昼休みの時間はまだまだたっぷりあるんだ。

有効活用させてもらおうじゃないか。
< 19 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop