ロマンチックに欠く女
とりあえず電話してみた。
『おかけになった電話は現在使われており…ブチッ』
――――まさかの着信拒否されてました。
え?彼氏にここまであの子しちゃうの?
俺、そんな酷い事言ったかな?
一体何がいけなかったんだ?
そうして目の前で俺の行動を見守っていた英が一言。
「どんまい」
うん、ちょっと涙が出そうになったのはきっときのせいだよね。
…というより、日向ちゃん。
貴女はいつになったら俺にデレてくれるんだ?
こうなったら仕方ない。
俺も男だ。次にする行動は決まってる。
ここまであしらわれてるんだ。
もう1度電話なんてみっともないしカッコ悪い事はしない。
「日向の教室まで行くしかないか」
「…お前のそのポジティブさ見習うよ」
そんな声を背に俺は教室を出た。
日向のおかげで昼休みの時間はまだまだたっぷりあるんだ。
有効活用させてもらおうじゃないか。