ロマンチックに欠く女


確か彼女は1年1組だったな…とそんな事を思いながら歩いていると、チラチラとこちらに視線を感じる。


だから軽く目が合った女の子に会釈するとキャーと叫ばれてしまった。しかも周りにいた複数の女子も叫んでいる。



…まぁ、1年フロアに2年の俺が居たら目立つよなー
さっきの歓声でさらに目立った気がするけど…



俺の高校は、女子はリボン。男子はネクタイの色で学年ごとに色分けされている。だから、他学年の人が居るとすぐバレてしまうというシステムだ。



…ってちょっと待てよ。


ここで考えてふと気づく。



俺は彼女の教室まで走る事にした。

2年フロアは1年フロアの1階上にあり、下へ行く階段は2つある。
だけど、俺が下りた階段は彼女の教室場所から1番遠い7組の側階段から下りてしまった。それは俺が2年7組だから。
1年、2年、3年共通で教室の配置は同じだ。だから、俺は自分の教室から1番近い階段を使ったのだが…

彼女の教室からは1番遠い場所になってしまう。




だけど、それが問題だった。




自分で言っては何だが、目立つ容姿。

甲高いキャーという廊下に響く歓声。




この事象から導きだされる結論は1つ!
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