ロマンチックに欠く女
そう思いながらも俺は笑顔ではぐらかし、漸く目的地へ到着する。
「…なんですか…ここ…」
「勿論、ケーキ屋だよ」
「喧嘩売ってるんですか?」
「え?」
「私、お金ないって言いましたよね?」
「いや、今回は俺が日向に不愉快な思いをさせたから奢るよ」
「絶対嫌です。帰ります」
まさかの展開。
彼女は一体どれだけ俺に奢られるのが嫌なんだ。
彼女ルール
その②:奢られるのは絶対に嫌。
「別にコレで恩を売ろうとか思ってるわけじゃないんだよ?」
「それでも嫌です」
困った。いきなり今回はクライマックスに突入してしまった。
うぅーん…と頭を悩ましていると、彼女はいつの間にかもう目の前に居なかった。
うわ、早。
いや…でもあの方向は…