ロマンチックに欠く女
4、彼女さんとバイト
「ハハハ…さすがは俺だよね」
あの、バラの贈り物から一週間。
俺は結局毎日彼女にバラを贈っていた。
別にそれでも嫌がるそぶりも見せず、今は文句も言わず受け取ってくれるようになった。
「しかもあの日向が“ありがとう”って俺に言うんだよ」
「でも、そのせいで金欠に陥ってバラ代金稼ぐためにバイトして彼女と会えないんだったら本末転倒じゃね?」
ですよねー…
そう、日向とは俺のバイトのせいで一緒に帰る事が出来なくなっていた。
お昼の弁当を断られてから彼女とは帰る時だけが唯一の接点だったのに!!
いや、下駄箱に前みたくお昼も一緒に…って誘っても良いんだけど、アレ軽く傷つくんだよね。
毎回ラブレターを脅迫文だって言われるし。
キモイウザい恐いだの言われるし。
挙句、破って本当に捨てられた紙切れを見つけた時には泣きたくなるんだ。
だからアレは最後の手段みたいなわけで。
「バラだけ渡してハイサヨウナラってお前ホント馬鹿だろ」
「違う。
正しくはバラを渡して日向の愛ある感謝の気持ちを聞き届けて名残惜しそうにサヨウナラ」
「あぁ…哀れな奴」
無性にコイツ、潰したい。