ロマンチックに欠く女


「…先輩、聞きました。
バラのために金欠でバイトしてるんでしょう?
やっぱりこれからはバラの花要りませんから」





そしてその日の放課後。
いつものように彼女にバラを手渡そうとしたら、こんな風に言われてしまった。


彼女には絶対こう言われることが分かっていたから言ってなかったのに。


一体どこの誰が言いやがったんだ…?

英だったら5回殺す。





「いやいや、受け取ってくれないと困るんだけど」



「受け取りませんから。
先輩はバイト止めて下さい」



「…いや、バイトしてるって誰から聞いたの?
それ、デマだよ。俺がそんな事するわけないじゃないか」



「……情報源は私の友達からです。先輩が花屋でバイトしてるの見たって。

最近しつこく帰ろうと勧誘して来なくてせいせいしたと思っていたので、先輩のおかしな様子は見て見ぬふりをしていましたが、この場合は事情が変わってきます」





せいせいしたって…俺、彼氏なのに。


というより日向って友達居たのか…


あんまり話さないし、デレないからきっと1人でお弁当とか食べてると思ってたのに。
だっていつも俺が彼女に会う時は1人で居るし。
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