ロマンチックに欠く女
「んじゃ、今日のお駄賃ね」
「ハイ、ありがとうございます」
閉店後、俺はいつものように店長から赤いバラを1本いただく。
うん、やっぱりこの花は彼女にピッタリだと思う。
「でも、アンタもよく毎日毎日バラなんて買って贈るよねー
まぁ、受け取る方も了承してる時点でお互い様か…」
「いえ、今日はスッパリ要らないと言われたんですけどね」
「アンタ、馬鹿!?」
何故故に!?
「いやいや誤解ですよ。
俺がバイトしてる事を知って心配して思いやりの拒絶をされたというわけです」
「…阿呆らし。
アンタらのバカップル話やっぱり聞くんじゃなかった…」
「いやいや聞いて下さいよ店長!
何でも質問して下さい!!」
むしろ俺と日向の関係をバカップルだと認識してくれているのは物わかりの良い店長ぐらいだから。
俺の友達は馬鹿だから、全く話しても噛み合わないんだ。
やっぱり話すならこういう大人の人じゃないと俺の恋愛観は認識してもらえないんだ。