ロマンチックに欠く女
「いらねーよ。
他人の恋愛話聞いても何も面白くねーし」
「ワオ。店長、男前ー
んじゃ、店長はどんな恋愛されてるんですか?」
「………」
「あー…もしかして続かなグフッ…」
肘鉄もろに喰らった。
……暴力反対です…というかやっぱり店長強い…
彼女の辞書にはきっと手加減と言うものを知らない。
「つーか、毎日花なんぞ味気ないしウザいと思われないの?」
「その辺は大丈夫ですよ。
彼女が唯一喜んでくれるのがバラなんで」
以前バラ以外の花も試みたのだが、バラを贈った時ほどの笑顔は見られなかった。つまり、彼女は1番バラが好きなんだ。
「店長、バラの花言葉知ってます?」
「……情熱、だろ?」
分かってないなー全く。
空気読めない人なんだから仕方ない。
「それもあるけど“清純な愛”ですよ!
俺達は清純な愛あるお付き合いなんですよ!」
「…よくそのキャラでお前捨てられないな…私だったらストーカーで通報してるわ」
店長もやっぱりロマンが全く分かってないようだ。
よし、今度は彼女に花言葉と共に愛の告白をしてみよう。
うんうん、俺とした事がこのパターンは今まで考えた事なかった。