ロマンチックに欠く女


「このバラの花言葉のように俺は日向を情熱的に愛しています」



「……愛する前にその情熱で燃え散って下さい」





逃げる彼女を捕まえた翌日の今日。
早速の素晴らしい告白を試みたがこんなセリフを返されてしまった。しかも若干頬が引き攣ってますけど。でもそれは気のせいで照れ隠しだと思い込んでますけど。




「今日も大事にしてやってね」




俺はニコリと笑って彼女に手渡す。だけど、やっぱり今までのように彼女は俺の愛…じゃなくて贈り物を受け取ろうとしない。





「…あの、先輩。
やっぱりこんなの止めて下さい。……迷惑、ですから…」



「それ、本気で思ってる?」




俺は彼女の瞳をジッと見つめた。





「…めちゃくちゃ思ってます」



「ハイ、嘘つきにはお仕置きね」





そう言って俺は俯く日向の額にキスをした。





「!!?」


「いやー素晴らしい反応だね。
それで眉間に皺を寄せる代わりに顔を赤くしてくれたら言う事ないんだけどなー」



「あり得ない…」



「あり得なくはないでしょ。
俺は日向の彼氏なんだから」





今、絶対俺の方がポジション的に有利だ。
このまま唇チューもいけるんじゃないだろうか?
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