ロマンチックに欠く女
「…分かりましたよ。待ち合わせ場所は図書館で良いですね?」
良いですか?じゃなくて良いですね?と聞いてくるあたり本当に彼女らしい。ここまで俺にズケズケ言う女の子って居なかったからいっそすがすがしい気分になる。だけど、俺としてはもう少し粘りたい。
「でも、勉強教えてもらうのに私語禁止の図書館って効率悪くない?」
「じゃあ、どこでしろって言うんですか?」
「日向か俺のい「嫌です」
ひどい。まだ何も言えてないのに。
「大丈夫だって。家でと言っても一切エロイことはしないと約束するし。何なら家に人が居る時に勉強会開こうよ」
さすがに手を出すまでは望めないよな。ここまでガード堅いんだし。…まぁ、俺の家ならベッドの掃除はきちんとしておくけど。日向が見てヤバそうなのは片付けておくけど。
「私は家族に紹介されるのもするのもゴメンです。やっぱり勉強会は無しですね」
「じゃあ俺は毎日日向のお家へ行き放題だね。それでうっかりお義父さんに紹介しちゃっても文句言わないでね」
「…チッ……じゃあ15時から16時の1時間だけですからね」
「毎日ね」
「………………夏休みの課題が終わるまでですからね」
―――こうして俺は、彼女と毎日1時間だけイチャラブすることが許された。