俺の弟の彼女が超可愛い。
これは──!
俺は全身の運動神経をバネにして、疾風の勢いで立ち上がる。残念ながら悠斗は一歩遅れたよう。
「菜月チャン!」
「はい……え?」
「──!」
え…?
「この…クソ兄貴イィィィイ!!」
「おご」
後頭部にめっちゃ固い物当たったんだけど!何投げてんの!?
しかし俺はツッコみたい衝動を抑えて、目の前の〝彼女〟を凝視する。
黒色の清純な髪。
綺麗で大きな、形のそろった瞳。大きくも小さくもない唇。
一言言わせてくれ。
「………可愛い。」
その瞬間視界が暗くなったのは、言うまでもない。