俺の弟の彼女が超可愛い。
カッカッとなさる閣下(笑)に仕方なく目をやり、心底溜め息をつきながら言う。
「早く戻ってこいよ。夕飯は悠斗の好物にしてやるから。あ、菜月チャン食ってく?」
「いえ。大丈夫です。」
「そんな事言わずにー。親の人に連絡しとこ?」
「兄貴」
…あれ?空気が止まった?
訝しみ、悠斗に顔を向けると、悠斗は冷たく咎めるような瞳をしていた。…え?あれ?
「菜月の意見を尊重してくれ。じゃあ買ってくるかんな。」
「あ、ああ…。」
「……………」
パタン、と閉まる玄関扉。
…せめて、この空気をなんとかしてから行って欲しかったなあ、なんて。