俺の弟の彼女が超可愛い。



俺は踵を返し、しかしふと菜月チャンが口を開く気配がする。少し申し訳なさそうに言う。





「親はいないんです。亡くなって…私と、兄だけです。」


「そ、そうなのか!?ゴメンナサイ…悪いコト聞いちゃいマシタネ…」





菜月チャンに嫌われるのは勘弁!




俺はすぐさまフローリングの床に正座し、両手先を膝の前で揃え、そこに額を引っ付けて謝罪の意を表した。




すると彼女はこれでもかというくらい大慌て。「あの」「すみません」「いえ」「違って」とか、全く文脈が整わない。




やがて彼女は俺の正面で土下座した。何このカオス。





「不束者ですが…兄も引きずってまたお伺いします。」





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