たからもの
「やばいって!!お母さん!!足、めっちゃ痛い!!歩けない!!ムリ!!」
わたしは、部活でひねった足を
引きずりながら朝ごはんを作っているお母さんの方へ行った。
「え───??昨日は何も言ってなかったじゃない。」
お母さんはめんどくさそうに一言。
「1日寝れば治ると思ったんだもん!!」
負けずにわたしも言う。
「しょうがないわねぇ…。病院行ってきなさいよ。じゃぁ。でもお母さん今日仕事だから、一人で行ってきなさいね!!」
ぬれた布巾で手を拭いてから、お母さんはテーブルの上に保険証と診察券、お金を置いた。
「はいはい。もぉあたしだって一人で行ける年だから。心配しないでよぅ。」