野獣の飼い主
「海野こっち」
「佐々木君…」
「そこ危ないから」
ぼーっと立っていた私を佐々木君が引っ張った。
喧嘩は直ぐに収まった。
もちろん獅子島の勝利。
「キレてる獅子島さんは相変わらず強いねぇ」
「佐々木君のんびりしてる場合じゃないよ」
「俺は大丈夫。危ないのは海野じゃん」
「紗綾…帰るぞ」
「あっ!獅子島君」
「じゃあな海野」
獅子島に腕を掴まれ無理矢理歩かされる。
学校がどんどん遠くなっていく。
今になって足首が痛くなってきた。
「獅子島君、ちょっと待って」
「あぁ?」
「足首が痛いんだけど」
「何?なんで早く言わない」
言う暇なかったじゃん。
「うわ!」
突然、獅子島が私を抱き上げた。
俗に言う姫抱きではなく、荷物のように肩にのせられたのだ。
私は獅子島の背中を叩いた。
「下ろして!」
「やだ」
獅子島が歩き出したから諦めた。
シャツを握り、恥ずかしいのを我慢した。
いつの間にか大きくなった幼なじみの背中が、悔しかった。
「佐々木君…」
「そこ危ないから」
ぼーっと立っていた私を佐々木君が引っ張った。
喧嘩は直ぐに収まった。
もちろん獅子島の勝利。
「キレてる獅子島さんは相変わらず強いねぇ」
「佐々木君のんびりしてる場合じゃないよ」
「俺は大丈夫。危ないのは海野じゃん」
「紗綾…帰るぞ」
「あっ!獅子島君」
「じゃあな海野」
獅子島に腕を掴まれ無理矢理歩かされる。
学校がどんどん遠くなっていく。
今になって足首が痛くなってきた。
「獅子島君、ちょっと待って」
「あぁ?」
「足首が痛いんだけど」
「何?なんで早く言わない」
言う暇なかったじゃん。
「うわ!」
突然、獅子島が私を抱き上げた。
俗に言う姫抱きではなく、荷物のように肩にのせられたのだ。
私は獅子島の背中を叩いた。
「下ろして!」
「やだ」
獅子島が歩き出したから諦めた。
シャツを握り、恥ずかしいのを我慢した。
いつの間にか大きくなった幼なじみの背中が、悔しかった。