”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
7.政略結婚
*
涼はホテルの部屋のドアをノックした。
返事は無い。
予想通りなので、そのまま開けた。
緑豊かな公園が窓の外に広がっている。
そのリビングにダイニングテーブルが設置されていた。
テーブルの上にはコース用のテーブルセッティングがされている。
既に席についていた綺樹は片手に煙草、片手にシャンパンのグラスを持ったまま、横目でこちらを見ていた。
頭に巻かれた包帯がまだ痛々しい。