”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
「お前たちが、私を当主にしたがった理由が良くわかったよ。
大掃除が必要だもんな。
それに対する恨みつらみのターゲットが必要だ。
確かに、私だったら適任だ。
ウルゴイティにとって、爪はじき者だし、消されても痛くない」
綺樹は帳簿をばさばさとめくりながら、しゃべり続ける。
「そして、これを整理し、システム化するだけの能力がある。
ああ、そうか」
綺樹は手をとめて、顔を上げる。