”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
フェリックスと瞳をひたりと合わせた。
「おまえの筋書きはこうなの?
全てがシステム化された暁に、それによって恨みを持つ者が、私を殺す。
で、システムを知り抜いているおまえが、ウルゴイティの誰かと結婚する。
おまえのことだ、その相手も目星をつけているんだろう?
誰なの?」
綺樹の瞳がきらきらしている。
自分が殺される話をしているとは思えない。
「おまえには関係ない」
にべもなく言うと綺樹は肩をすくめた。
フェリックスは見終わった帳簿を側らに積み、新しいのを手に取った。