”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
自分がやってきて、やろうとしていることは間違いだと、諭されていたのだろうか。
祖父は孫と綺樹がずっと上手くいっていないことも、理由も、全て理解していたと思う。
自分が死んだ後に起こることも。
理解しながら、何も言わなかった。
自分が過去に犯した過ちから、もう二度と口に出すまいと決めていたのだろう。
娘を失ったように、孫も失わないように。
でも綺樹がしていたことは、その失うことだ。
それをわかっていて口を出さなかったのは、やはり綺樹と同じように考えていたからだろうか。
涼らしい人生を。