”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

自分がやってきて、やろうとしていることは間違いだと、諭されていたのだろうか。

祖父は孫と綺樹がずっと上手くいっていないことも、理由も、全て理解していたと思う。

自分が死んだ後に起こることも。

理解しながら、何も言わなかった。

自分が過去に犯した過ちから、もう二度と口に出すまいと決めていたのだろう。

娘を失ったように、孫も失わないように。

でも綺樹がしていたことは、その失うことだ。

それをわかっていて口を出さなかったのは、やはり綺樹と同じように考えていたからだろうか。

涼らしい人生を。
< 213 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop