”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
「ばれてたか」
「おまえが準備するとは思えない。
大方、忙しすぎて、スピーチするのも忘れていただろう」
「まあ、な」
「でも、おまえは準備しない方がいいよ。
わざとらしくて鼻につくから。
即興でしゃべるという場を増やして、慣れるといいかもしれない」
「また説教か。
これ以上続けるなら、ふさぐぞ」
それもいいかも、と思ったが、くちびるを合わせたら、最後までいってしまうだろう。
回数は増やさない方がいい。