”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
「終電なくなっても、泊めないからな」
「ま、しょうがないよな。
聞けば1年半ぶりの再会なんだって?
色々、することあるもんな~」
篤志の含みのある目と口調に、飲みすぎていた涼は思わず返していた。
「そういう関係じゃねーよ」
“説得力ねー”といわれ、更にカチンときた涼が口を開きかけた。
「涼の姉のライナと私が親友なんだ。
ライナが私の世間知らずなのを心配して、涼を送り込んだんだ」
酔いを全く感じさせない、冷静な綺樹の声に涼は振り返った。