”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
呟いて口元で笑った。
わかってる。
会いたい。
それだけで来たんだ。
涼の周りは相変わらずだな。
少し微笑して、重ねたコップの隣に、もう一つコップを置く。
あれが関係のある女。
少し離れて二つ置く。
隙があればその地位を狙う二人の女。
そして。
かなり離れたところに一つ置いた。
関係のない私。
あるいは傍観者。
こんな相関図か。
立ち上がって見下ろした。
遠いな。
口元に微笑を作る。
遠い。
ここに来ても結局、涼は遠いのだ。