”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
レセプションには、西園寺も招待をされており、綺樹が継いだウルゴイティに興味があって、祖父に代わってもらった。
当日、綺樹はプロのヘアメイクをマンションに呼んで準備をしていた。
「じゃ、先に行っている」
「ん」
メイクが始まっていた綺樹は片手を上げた。
「っと、もしかしてエスコート必要か?」
綺樹はいたずらっぽく笑った。
「そういう発言が出来るようになったんだ。
大丈夫。
いらないから」
「ん。
じゃあな」
どういう意味で“大丈夫”で“いらない”なのか突っ込みたくなったが、そういう立場じゃない。