”オモテの愛” そして ”ウラの愛”
指の動きに綺樹は早々に声をもらした。
満足だったらしく、耳元を声を出さない笑いがくすぐった。
対決する気力までは無かったが、相手はできる。
それでか、フェリックスは途中で綺樹をほおり出すことはなかった。
意外にも綺樹が受け入れられる状態までちゃんとケアし、高みまで引っ張り上げる。
終わってまだ息が荒い中、綺樹は肌が重なり伝わってくる熱が消えるのに、心の中で身構えた。
フェリックスはすぐに汚物に対するかのように、身を引いて出て行くだろう。
だがまだ腕の中に囲われたままだった。