”オモテの愛” そして ”ウラの愛”

「そりゃ、おまえだけだろ。
 だから何人も同時並行なんだよ」


先輩の一人の言葉に涼は何も返さなかった。

自分がそうなら、相手が自分に向けてくる愛情もそうだ。

合わせ鏡にすぎない。

どの女も自分を愛してなどいない。

外見と西園寺の名を愛している。


「なんだかな~」


瞬はのんびりとした相槌を打ってから、身を乗り出した。


「昔とかに、女にひどい目にあった?」
< 85 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop