大人の恋をしよう☆彡
おばさんが出掛けて行った家は本当に静か。
一人しかいないわけだから、当たり前だけど、私はこの静まり返った空間が嫌い。
でも、ここで生活するようになってから、私は決めていることがある。
絶対に弱音は言わないこと。
笑うこと。
だって、ちーちゃんの好きなマナちゃんは、いつも笑っていたから。
天使のようだと言われたマナちゃんには到底適わないけど、こんな私の笑顔でも暗い顔をされているよりはましだと思うから。
そのくらいしか、大好きなマナちゃんをちーちゃんから奪ってしまった私は償い方がわからない。
リビングでテレビをつけようとしたとき、玄関のドアが開く音がした。
おばさんが忘れ物でもしたのかと、玄関に向うと、
「・・・・ちーちゃん・・・・」
「おう、ただいま、ミー。」
私をミーと呼ぶのは、ちーちゃんだけ。
ちーちゃんを、ちーちゃんと呼ぶのも私だけ。
靴を脱いで、荷物を脇に寄せると、私の目の前まで歩いてきて、ヒョイと私を抱き上げる。
「ち、ちーちゃん!」
「相変わらず、ミーは軽いな。ちゃんと飯食べてるのか?」
「た、食べてるよ。ちーちゃん、降ろして。」
「はいはい。」
ちーちゃんは、いつもそう。
帰ってくると、私を抱き上げるのは、小さい頃からの癖なのか。
まあ、いつまで経ってもちーちゃんにしてみたら、私なんてお子ちゃまなんだろうけど。