大人の恋をしよう☆彡

「美々ちゃん。」


急に声をかけられ、驚いて振り向くと、そこには困った顔をしたおじさんが立っていて、


「貴恵は寂しいんだよ。だから、もう少し付き合ってあげて。

これからは、傍で何もしてやれないから、今、して上げられることをしてあげたいらしい。」



苦笑いをするおじさんに私は、



「我が儘ばかりですみません。」



と頭を下げることしか出来なかった。



それから一週間、本当に買い物三昧で。

おじさんに申し訳ないと思いつつも引越し当日。


荷物は全部運んでもらって、休日なのに、おばさんだけではなく、おじさんまで手伝ってくれた。


片付けも済んで夕方、引越し蕎麦を三人で食べた後、



「何かあったら、いつでも帰ってくるのよ。

ううん。何もなくても帰ってきていいんだからね。」



と目を潤ませるおばさん。



「美々ちゃん。あの家は、美々ちゃんの家だ。だから、いつでも帰ってきなさい。
皆、待ってるよ。」



私の頭を撫でて寂しそうに笑うおじさん。







< 32 / 106 >

この作品をシェア

pagetop