大人の恋をしよう☆彡
よかった。最後がしんみりしなくて。
笑顔で別れたかったから。
大丈夫だって。
一人でも平気だって。
二人にそれだけを伝えたかったから。
下まで一緒に下りて、出口まで見送ると、おばさんは名残惜しそうに何度も何度も振り返りながら、帰って行った。
二人が見えなくなるまで、見送ってから、部屋に戻り、改めて今日から一人で暮らす部屋を眺めてみた。
「・・・広い・・・な。」
おじさんが用意してくれたマンションの一室は、40階建ての40階。
3LDKだけど、一つ一つの部屋が無駄に広い。
「これは、掃除が大変そう・・・」
誰もいない部屋に私の声だけが響く。
思ったよりも寂しいことに気付いた。
首を横にブンブン振りながら、
「ダメダメ、最初からこれじゃあ、この先どうするの?」
自分に言い聞かせるように戒める。
ここが私のこれから生きていく部屋。
もう寂しいなんて言っていられない。
自分で決めたことだもん。
誰にも頼らずにここで頑張ろう。
そう心に誓って、私の一人暮らしはスタートした。