大人の恋をしよう☆彡
冷たい海から美々を引き上げたとき、真っ青になった美々の唇が震えているのがわかり、無我夢中で美々の唇に自分の唇を押し当てていた。
俺の熱で少しでも暖められれば。その一心で。
回復していく美々に、美々の親戚たちは、冷たかった。
そんな美々を家で引き取ることになったとき、俺はどんなに嬉しかったことか。
これからはずっと、俺が傍にいる。
美々を守れるのは俺だけだと。
だけど、両親と姉を無くした美々の傷は深い。
特に姉の愛美の話をされると、途端に顔が曇る。
美々は小さい頃から、姉と比べられてよく泣いていた。
なのに、普通なら姉のことを嫌いになっても可笑しくないのに、彼女は違った。
いつも、愛美の後を付いて歩いていた美々。
大好きな姉が自慢でしょうがないみたいだった。
たまに、美々が愛美ばかりで俺が嫉妬するくらい仲良しの姉妹。
だから、我が家では特に愛美の話は禁句になっていた。
最初はぎこちなかった家での生活もだんだんと慣れてきて、笑うようになったとき、家族全員で安堵した。