大人の恋をしよう☆彡
工藤家
「美々ちゃ~ん、おばさん、出掛けるから~」
一階から聞こえてくる声に、
「は~い。わかりました。いってらっしゃい。」
ヒョッコリ階段から顔を出すと、綺麗なドレスを着たおばさんがいた。
そう、あのあと、自殺騒ぎまで起こしてしまった私を父と母の親戚たちは、誰も引き取りたくなくて、施設に預けられる話にまでなった。
そんな私を不憫に思ってくれた工藤のおじさん。ちーちゃんのお父さんは、私を自分の家に引取ってくれた。
あれから、5年の歳月が流れていた。
おじさんは、もともと父の会社の副社長さん。
そのまま、父の後を継いで、今は代表取締役社長になった。
おばさんは、おじさんの出張のときは、一緒についていくこともあるけど、基本的には専業主婦さんで私の面倒をよく見てくれた。
ちーちゃんは、大学を出てすぐにおじさんの会社に入り、1年前からニューヨーク支社へ転勤中。
とっても忙しいらしく、たまに電話はくれるけど、私ももう1年、ちーちゃんには会っていない。