大人の恋をしよう☆彡
「貴恵が全部揃えたんだ。いつでも美々ちゃんが帰ってきてもいいように。」
「お、おばさんが?・・・・」
「ああ、美々ちゃんが一人暮らしを始めた日、家に帰ってきてしばらく経つと、貴恵の姿を見えなくてね。
そしたら、この部屋に一人でポツンと座ってた。」
おばさん・・・・・・
「どうしたって声をかけたら、【この部屋には何も無さ過ぎて、美々ちゃんが帰ってきたら、泊まる所もないわ】って言い出してね。
次の日には、ベットやら、箪笥やら買いこんでた。」
そう言って苦笑いをするおじさん。
「貴恵は、寂しいだ。
美々ちゃんと一番長い時間を一緒にいたのは、貴恵だと思うから。
娘が離れてしまったようで寂しいんだと思う。
だからさあ、美々ちゃん。たまにでいい。泊まりに来てやってよ。」
「おじさん・・・・・」
「もちろん、私も大歓迎だよ。
美々ちゃん、忘れないでほしいんだ。
君は、私たちの家族だということを。」
「か・・・ぞく?」
「そうだよ。美々ちゃんは、戸籍上では違うかも知れない。
けど、私たち夫婦にとって、君は娘なんだ。
だから、美々ちゃんにとっての帰る家は、ここ。それを忘れないで。」
嬉しかった。家族って言ってもらえたことが。
愛情をそそいでもらっていることは分かっていた。
でも、どこかで私は他人と思っていたのも事実。
だから、改めて、おじさんが言われる「家族」というフレーズはとっても私を暖かくしてくれた。