[短編]遠ざかる笑顔
私、大野茉果と真山健太が出会ったのは
部活の大会だった。
お互い違う学校で陸上部に所属していて、試合の時私に声をかけてくれたことがあり、仲良くなり突然健太から告白された。私も好きだったから凄く嬉しかった。
今では"大人になったら結婚しよう"
そう思えるぐらいお互いのことを分かって、愛していた。
「茉果!見て!!」
健太が、上を見てはしゃいでいたので
つられて上を見ると……
「……綺麗!!」
そこには沢山のイルミネーション。
「よかった……」
「え?」
「茉果、さっきから笑ってなかったから怒ってるかと思った(笑)」
健太…。私を心配してくれてたの……?
「でも、次あんなに遅れてきたら怒るからね」
「うわー、気を付けなきゃな(笑)」
遅れてきてもいい。
何分でも何時間でも待つ
だから健太
もう一回あの笑顔を見せてよ…。